●掲載日:2022年11月29日
今季よりシルバースポンサーとして支えて頂いている株式会社GATHERさまは、ベガルタ仙台のようなスポーツクラブと、その根ざす地域、そして関わる人々をつなぐ事業を展開されています。Jリーグの理念のひとつである地域密着のなかで、様々な人やことがつながり、発展するビジョンはどのようなものでしょうか。代表取締役CEO 田中和弘さま(写真右)、Executive Partner 石田敬さま(写真左)にお話をうかがいました。(※以下敬称略)
——事業内容について教えてください。
田中 一般的に“スポンサーシップ”としてみなさまにイメージしていただいているものとは、もしかしたら少し違うかもしれません。私どものメンバーには、長らくスポーツビジネスに関わってきた者がおります。しかし、そのスポーツビジネスの課題を解決する過程で、「スポーツビジネスはスポーツの中だけでなく、通常の産業領域にいかにスポーツがつながっていくのか」ということが、今のスポーツにとっても重要ではないかと思って新たにスタートを切りました。「スポーツをビジネスに」と謳っているのは、そのためです。
株式会社GATHER 代表取締役CEO 田中和弘さま
たとえばベガルタ仙台さまのようなスポーツ事業主体さまが、B to C、B to Bとそれぞれのつながりを持つこと、根付く地域とつながりを持つこと、そして、それらのつながりが循環する仕組みを提供することを、我々はミッションとして動いています。
社内にはそれぞれのつながりについての専門家がいて、スポーツビジネスだけでなく一般産業でB to Cをしてきた人間や、通常のスポーツではない産業でB to Bをしてきた方々、あとは自治体に所属していた者が、エキスパートチームを組んでいます。今までのスポーツマーケティングやスポーツビジネスの枠におさまらず、さらにスポーツを他の事業にも関わるかたちでどうやって展開していくのか、地域課題の中でどう活用するか、をお手伝いする集団です。
——その事業のもとで、ベガルタ仙台とはどのように関わられていますか。
株式会社GATHER Executive Partner 石田敬さま
石田 スポンサー営業をさせてもらったり、B to Bというビジネス領域から、ベガルタ仙台さまに対するお客さまや情報の誘因をしたりしています。
今のベガルタ仙台さまと地域社会の取り組みは、世の中のあるべきかたちに近いモデルになってきていると思います。そこにまた、新たに人を招いて、そこで仙台の市民クラブとしての姿を見てもらう。それが他の地域の参考になって、新たなビジネスのチャンスにつながるのではないか、というところで、我々もスポンサーの一員になっています。
「人財支援事業」のセカンドキャリア支援において、プロ野球独立リーグ「四国アイランドリーグplus・徳島インディゴソックス」より、建設機械、イベント用品等のレンタルや商品の開発を手がける「西尾レントオール株式会社」へ入社し活躍する齋藤裕介さん
田中 チームがピッチ内で強化されることによる価値については我々が関与し得ないところですが、それ以外の部分でチームの魅力、価値を高めていくことが我々の使命といえます。スポーツチームは公共資産だと思っているので、そこの価値を高める後方支援をさせていただくような役割といいましょうか。それが我々のビジョンのひとつです。
強くなることで誘引する魅力もクラブのひとつの柱として大事で、一方、それ以外の部分でもベガルタ仙台さまの価値を高め、どうやって地域とつなげていけるか。そこに我々としてはやりがいを感じています。
——これから実現していきたいことについて、教えてください。
石田 ベガルタ仙台さまならではの魅力は大事にしつつ、新しくほかのチームでやっているようないい事例はユアテックスタジアム仙台やチームに取り入れたいですよね。フラットな目で見たときに、仙台は早い段階から市民クラブのチームを目指している背景があり、それは強みです。でもそこだけで満足することなく、新たな魅力を加えていければと考えています。
田中 スポーツビジネスの領域に留まらない発展ができるように、他クラブだけでなく、他競技、あるいは他産業の良いところも取り入れたいですね。コロナ禍によって様々なことが変わっていますが、スポーツが社会から求められている意義は、時代によって変化していくものだと思います。その変化を理解し、他産業での優れているところを比較検討しながら、スポーツ事業に取り入れるような考察をしたいと思っています。
スタジアム内だけではなく地域も巻き込んで、様々な領域の方々がつながることで、新たな魅力が加わっていく——その過程にあるベガルタ仙台を支える、GATHERさまのこれからの展開にも期待です。
●取材日:2022年10月14日