ベガルタ仙台の「這い上がる」力が問われている。
明治安田生命J2リーグ戦の後半戦を、仙台は黒星でスタートした。前節・横浜FC戦はサポーターの後押しを受けて最後まで食い下がったが、打ち合いに敗れ順位は1歩後退。痛い敗戦となった。
しかし、下を向いている場合ではない。向く場所は前、そして上だ。ホームのユアテックスタジアム仙台で再び戦える今節、上位同士の対戦で山形を倒し、また這い上がるのだ。原崎政人監督は横浜FC戦でサポーターが作ってくれた雰囲気に感謝し「ここで勝たなければ駄目だ、とあらためて感じさせてもらいました。勝点3を届けられるよう、必死になってやりたい」と言葉に力をこめる。中盤で好プレーを連発したMF6レアンドロデサバトも前節の敗戦を「申し訳ない」と謝るとともに「試合中もずっと応援してくれて、後押しに感謝しています。このホームで、勝利を捧げたい」と決意。その思いを、勝利という結果に変えたい。
東北の隣県対決となる今節は、それぞれ異なる方法論で攻撃的なスタイルを作り上げている者同士の対戦でもある。山形はピータークラモフスキー監督のもとで、素早いボールタッチの連続と個々の鋭い前進の組み合わせを磨き、相手を崩す。攻撃の中心となるテクニシャンMF10山田康太を筆頭に、左サイドから切りこむMF17加藤大樹、ゴール前の仕事人FW9デラトーレといったタレントがポジションを入れ替えながら相手の隙間に走りこんでくる。けが人が多く出ている中でも、ピッチに立った選手たちがしっかりコンビネーションを実戦。守る側にとっては個人を止めるのではなく、複数の攻撃パターンを想定して対処する必要がある。仙台の守備の立て直しが問われる相手だ。
攻め合いとなれば、仙台の攻撃力がいつも以上に力を発揮してくれるだろう。山形との前回対戦となった第5節では、MF18氣田亮真の縦の突破からのゴール、FW42富樫敬真のキープからFW9中山仁斗が後を受けてのゴール、そしてMF50遠藤康の芸術的FKで3点を取って勝利した。仙台の攻撃は当時からさらに切れ味を増し、あるときはサイドから、またあるときはセットプレーからと、フィニッシュの形も多彩。攻撃のコンビネーションの幅を存分に表現し、相手よりもひとつでも多くゴールを重ねたい。
このユアテックスタジアム仙台で「#仙台しか勝たん」を実現し、這い上がろう!