5月25日の明治安田生命J2リーグ第18節・岡山戦でベガルタ仙台は今季初の4連勝を目指したが、惜しくもゴールは奪えず。0-0の引き分けに終わった。その岡山戦でチャンスにからんだMF28名倉巧は、「迫力を持ってやりたいことができたのは良かった」という手応えとともに、「最後のシュートやラストパスのところで決めきれなかった。その質を次の試合ではもっと上げてできれば」という反省点を口にした。
仙台は開幕当初より、間違いなく攻撃が磨かれている。前節を終えてチームの総得点34はリーグ最多。そして、攻撃パターンも増えている。あるときは中央での連係から、またあるときはサイドでのパス交換から。MF18氣田亮真のドリブルやMF35フォギーニョのミドルシュートなど、個人能力をここぞという場面で出して取ったゴールもある。前々節・大宮戦でFW42富樫敬真がフィニッシュしたように、セットプレーでのゴールも増えつつある。
その多彩な攻撃を、しっかりゴールというかたちで結実させたい。今回ユアテックスタジアム仙台に迎える栃木は、仙台が前節の反省を生かし、チャンスをつくったぶんの得点率を上げることが試される相手といえるからだ。
栃木は持久力があり、厚い守備が特徴だ。順位こそ19位に位置するが、ここまでの総失点数はリーグで5番目に少ない17。前線から追いこむアグレッシブな守備も得意だし、相手に押しこまれたときに押さえるべきスペースを消す約束事も徹底されている。逆に総得点がリーグで2番目に少ない11であるように攻撃力という点では苦戦し、9試合連続リーグ戦で勝てない苦しい時期も経験したが、前々節・徳島戦の白星でトンネルを抜けると2連勝中。この直近2試合はいずれも1-0で勝利し、僅差のゲームをものにする粘りを見せている。
連勝中の栃木で好反応によるセーブを連発しているのがGK1川田修平。DF16カルロスグティエレスを中心とした3バックも堅固だ。仙台としては最終的にこの最後尾をいかにして動かすか、攻撃の工夫の見せどころといえる。また、仙台が攻撃を細かく組み立てているときに相手が狙うカウンターにも注意したい。栃木の守備時には下がっているDF3黒﨑隼人とDF30福森健太の両ウィングが攻撃体制になってボールを受けたとき、仙台はサイドからクロスを上げられないように準備しなければならない。前線のFW29矢野貴章やFW9瀬沼優司といったパワフルなフィニッシュ役も弾き返したい。
修正能力の高さも、仙台の強みの1つ。多彩な攻撃で、前節に取れなかったぶんのゴールを取って勝とう。