明治安田生命J1リーグが再開して2か月。この間、仙台は多くの選手が起用され、木山隆之監督もさまざまなトライをしてきたが、8月はチームとしての戦い方が徐々に定まり、特に守備の安定が見られた。第10節・清水戦は第9節・神戸戦での勝利の勢いそのままに戦い、MF7関口訓充やDF26浜崎拓磨は豊富な活動量を生かし、攻守で奮闘。GK27ヤクブスウォビィク、DF13平岡康裕、DF16吉野恭平を中心とする守備陣も安定感あるプレーを見せたが、ゴールは奪えず0-0の引き分けに終わった。第11節・鳥栖戦は中止となり、その後はアウェー2連戦。第12節・C大阪戦は先制を許したが、前半アディショナルタイムに浜崎のコーナーキックからDF4蜂須賀孝治のヘディングシュートが決まって同点に追いついた。しかし、後半失点を許し1-2と敗れた。第13節・広島戦も、試合開始早々に失点したが、その後は、多くの決定機をつくり、72分、DF真瀬拓海のクロスから、今シーズン初出場となったMF6兵藤慎剛がゴールを決めて同点とし、1-1で引き分けた。
3試合とも勝点3には届かなかったが、いずれの試合も選手全員がタフに戦い抜くことができていて、勝利を諦めない姿勢を見せることができている。月が変わって最初の試合となる今節・G大阪戦は、この戦う姿勢を勝利につなげたい。
G大阪は宮本恒靖監督が就任3年目。今シーズンこそ優勝争いに絡もうと意気込んで臨み、7月は4連勝と好調で上位争いに絡んだが、8月は1勝にとどまり、第11節・浦和戦以降は1分け2敗と3試合勝利が無い。9月以降の巻き返しを狙っている。
攻撃陣はFW33宇佐美貴史、FW9アデミウソンの2人が軸。インサイドハーフに入る元仙台MF21矢島慎也やMF8小野瀬康介のゴールに絡む動きにも注意が必要だ。その他、MF10倉田秋、FW11小野裕二、FW18パトリックなども脅威となる。誰が出てきたとしても高い攻撃力を誇るので要警戒だ。守備陣では鹿島やトゥールーズ(フランス)で活躍し、今シーズンから加入した日本代表DF3昌子源が守備の要として活躍している。また元仙台GK25石川慧がベンチ入りを続けており、GK50イユノも期限付き移籍で在籍中だ。
攻守とも個人能力の高い選手を揃えたチームだが、仙台としては臆せずに、攻守のバランスを取りながら戦いたい。前からしっかりプレスをかけ、中盤では関口や浜崎、MF5椎橋慧也が相手選手の間のスペースをついて、丁寧な組み立てからゴールを奪いたい。DF36柳貴博や、蜂須賀のサイド攻撃も有効だろう。
難しい相手だが、ここまで積み上げてきたタフな戦いで勝負を挑み、相手の隙を確実に突き、勝利をもぎ取ろう。