NEW HERO

GK 1 シュミット ダニエル Daniel SCHMIDT

1992年2月3日生まれ 197cm / 88kg アメリカ合衆国出身
八幡サッカースポーツ少年団→仙台スポーツシューレFC→東北学院中→東北学院高→中央大→ベガルタ仙台(2014年加入)→ロアッソ熊本→松本山雅FC→ベガルタ仙台(2017年復帰)

試合を決めるGKへ。
セーブもフィードも磨きがかかる。

 シュミットダニエルという大器は、この仙台で、Jリーグの場で経験を重ね、磨かれている。

 「けがでなかなかチームに貢献することができない時期が長かったので、これからもっとチームを助けるプレーがしたい」。今季前半のシュミットは、けがに悩まされた。開幕前と5月にそれぞれ長期離脱し、なかなか試合に出続けることができなかった。しかし8月5日の明治安田生命J1リーグ第20節・磐田戦で先発の機会をつかむと、試合ごとに調子を上げて先発に定着。第21節・柏戦からの3連勝を支えるなど、チームの勝利に貢献した。

 197cmの長身とリーチの長さを生かしたセービングが注目されるが、シュミット本人は体格に頼ることよりもまず、基本動作を一つひとつ丁寧に磨くことに意識を向ける。「足の運び方、予備動作…そういったところでまだまだ自分には足りないものがあります」。それを鍛える場所が、普段の地道なトレーニングにある。内外の名手と呼ばれるGKのプレーを研究しながら、シュミットダニエルというGKならではのプレーを追い求めている。

 そしてJ1の場で実戦経験を重ね、時に苦い思いをしながらも、それを糧として成長を続けている。J1リーグ第27節・長崎戦と第28節・横浜FM戦を終えた時期に、シュミットは「結果につながるミスをしてしまった」ということを悔やんだが、そこで歩みを止めず、その先で勝利という結果につながるプレーをすべく、トレーニングに励んだ。

 天皇杯準々決勝・磐田戦では、まさに試合を決めるGKとしての活躍を果たしたといえる。試合終盤に追いついた後に、チームは相手セットプレーから連続してピンチを迎えたが、シュミットが三度その前に立ちふさがった。さらにPK戦でも1本を足で食い止めた。さらにJ1リーグ第32節・広島戦では、先制後に相手がしかけてきたパワープレーにも落ち着いて対応。無失点勝利に大きく貢献した。「(失点)ゼロに押さえることに集中できた」というセービングはもちろん、味方への的確なフィードも光った。

 11月16日には、日本代表の一員としてベネズエラ戦でAマッチ初出場を果たす。さらにスケールの大きなGKとなる予感が漂うが、「日々の練習でほかのキーパーと切磋琢磨してやっているからこそできたパフォーマンス」と、本人は日頃の積み重ねこそがすべてにつながると認識している。今季、残りのリーグ戦、そして天皇杯で、シュミットがさらに勝利へつながるパフォーマンスを見せることに期待したい。