VP EYES

「新」戦力の対決
守備力の高い即戦力を大量獲得し、J1残留に全力を尽くす名古屋。
相手のつくるスペースを冷静に突き、新戦力を生かして戦え!

 明治安田生命J1リーグは今月、中3日の3連戦が2回あり、8月22日には天皇杯4回戦も入るため、8月11日からは中2~3日の5連戦という厳しい日程となる。例年より暑さも厳しい中での連戦だが、この春公式戦17連戦という厳しい日程を乗り越えたことを思い出し、粘り強く戦って目標のリーグ戦トップ5を達成したい。

 中3日、ホーム連戦となる今節は名古屋と対戦する。名古屋はJ2に降格した昨シーズン、川崎Fを上位に導いた経験を持つ風間八宏監督が就任。中央突破が非常に多く、ドリブルなど個人技を生かしたスタイルを名古屋でも貫き、1年でJ1に返り咲くことに成功した。今シーズンは元ブラジル代表FW7ジョーを獲得し、大きな話題を呼んでおり、開幕戦と第2節で連勝スタート。J1での躍進が期待されていた。

 ところが中盤の核であったMF田口泰士が磐田に移籍した影響は大きく、元々リスクを冒して攻撃を仕掛けるスタイルであったことから失点が非常に多くなり、開幕時の連勝以降は勝利の無い状況が続き、現在J1リーグ最下位で、J2再降格の危機に直面している。

 クラブは風間監督の攻撃的なスタイルを継続させることを選択し、このスタイルでJ1を勝ち抜いていくための大量補強に踏み切った。川崎時代ボランチで起用し、守備の安定に貢献したMF15エドゥアルドネット、FC東京から元日本代表DF17丸山祐市、柏からDF20中谷進之介、横浜FMからDF31金井貢史、J2松本からドリブル突破力のあるMF25前田直輝を獲得。そして出場機会の少なかった選手を移籍させ、開幕時とは全く別物のチームとなっている。前田以外は守備能力の高い選手の補強が目立ち、個の守備力を上げることで、守備の安定を図ろうとしている。

 しかし、リスクを冒して前に出てくることと、中央突破中心、もしくはジョーの決定力をシンプルに生かそうとしてくるのは変わりない。仙台としては相手陣内で空くスペースを見逃さず、守備陣のつくるギャップに入り込んで、決定機をつくり出していきたい。前回対戦時ゴールを挙げたFW11石原直樹やFW30西村拓真はスペースに入り込む動きが得意なので、今回もゴールを期待したい。

 そして、仙台も活躍が期待されるのは「新」戦力だ。前々節・鳥栖戦でデビューを果たしたMF15矢島慎也、元日本代表長身FW41ハーフナーマイクも仙台のスタイルを理解しようと懸命だ。積極的にゴールに向かって欲しい。

 J1残留に向けて全力でぶつかってくる難敵だが、仙台は仙台のスタイルを貫き、勝利をつかもう。