NEW HERO

FW 30 西村 拓真 Takuma NISHIMURA

1996年10月22日生まれ 178cm / 72kg 愛知県出身
名東クラブジュニア→名東クラブジュニアユース→富山第一高→ベガルタ仙台(2015年加入)

ひたむきなプレーを続け、
勝負を決めるFWへ成長する。

 「もっと個人の力を上げることが、チーム全体の成長にもつながります」。J1第7節・名古屋戦が終わった後に、西村拓真はさらなる成長を誓った。この試合で彼はプロ入り後初めてとなる1試合2ゴールを記録。3-2の打ち合いを制する上で、大きな貢献を果たした。しかしそれに満足する様子は、見せなかった。それ以上にあったチャンスで決められなかったこと、選手交代で1トップに入った後になかなかいいプレーができなかったことなど、自身にとってもっと伸ばさなければならない点を自覚させられたからだった。

 それから6試合後、西村は再び2ゴールで試合を決めた。

 J1第13節・湘南戦。立ち上がりの時間帯から相手陣内で効果的にボールを動かす仙台の選手たちの中で、西村も躍動した。早々に先制し、2点目が欲しい展開でチームはPKを獲得したが、これは阻止された。しかし程なくして、この日ふたつ目のPKを獲得する。野津田がこれを蹴りにいったところ、「(西村)拓真がいて、蹴る雰囲気を出していた」という。じゃんけんの結果、西村がキッカーの権利を勝ち取り、冷静にこれを決めた。

 さらに圧巻だったのは、後半のアディショナルタイムだった。1点を返され、なおも相手に攻められていた時間帯のこと。西村は蜂須賀が送ったロングフィードに反応し、オフサイドにかからないタイミングで相手DFの背後に抜け出した。「コースはあまり良くなかったのですが、たまたま入って良かった」と、本人は謙遜する。しかし、立ちはだかったGKに当たりながらも、西村が蹴ったボールはゴールに転がり込んだ。

 「サポーターが遠いところまで来てくれたので、そういう感謝の気持ちを込めました」と、西村はサポーターの前へと一目散に駆けていった。成長を続けるFWは、ゴールで、そしてひたむきなプレーで、これからもサポーターを沸かせてくれることだろう。