ベガルタ仙台は今節も攻撃が試されている。4月29日の明治安田J2リーグ第12節では、堅守の甲府を相手に2得点で勝利した。今節で対戦する山口もまた、守備に強みを持つチームだ。甲府戦から中3日で開催されるハードスケジュールではあるが、その中でも仙台は力強く、厚い攻撃を繰り出して、相手のゴールを攻略したい。
山口は就任2年目の志垣良監督のもと、全選手がハードワークし、果敢に球際での勝負を挑むスタイルだ。整った守備ブロックは簡単には崩れず、また、ボールを保持した相手に対して強烈なプレッシャーをかけてくる。攻める相手にとっては、なかなかいいかたちで前を向いてボールを動かせないチームだ。前節は磐田にゴールを許さず1-0で勝利し、調子を上げている。
最後尾のGK1ニックマルスマンは大柄で手の届く範囲が広く、シュートコースをふさぐ。センターバックのDF4松田桂大とDF14下堂竜聖のコンビはいずれも人に強く、中央の守りは非常に堅い。さらに、奪ったボールをMF40成岡輝瑠らが素早く前線に供給し、それを受けるFW45山本桜大やFW19山本駿亮らFW陣も勢いよくディフェンスラインの背後を狙ってくる。相手の守備から攻撃への素早い切り替えを許さないことが、仙台には求められる。
仙台としては、まずは相手の頑強な守備ブロックを押し広げ、スペースをこじ開けたい。出場停止から戻るFW99宮崎鴻のパワーを生かして相手の最終ラインを押し下げたりマークを集中させたりして、できたスペースを続く攻撃の第二波で崩したい。スペースを突くパスを得意とするMF10鎌田大夢やMF8武田英寿の特技を発揮できれば、チャンスは広がる。さらに、相手陣内へボールを送れば、DF25真瀬拓海の飛び出しやDF39石尾陸登のドリブルといったサイドバック陣の武器も加えて、攻撃の厚みを増すことも可能だ。
さらに、相手の守備の予測を上回る、ニューヒーローの登場にも期待したいところ。前回のホームゲームだった第11節・愛媛戦では、1点を追いかける展開でFW18梅木翼が途中出場から殊勲のゴールを決めた。嬉しい仙台加入後初得点でチームを救った梅木のように、消耗の激しいこの時期には新たに台頭してくる選手の活躍が必要だ。FW40安野匠やFW20グスタボといったゴールに向かってパワー全開で突進する選手達のように、チームに勢いを加えられる選手が1人でも多くヒーローに名乗りをあげてほしい。
シーズンも中盤戦に入って相手の対策も進む中で、その対策を上回る攻撃をできるように、仙台は成長しつつある。あとはそれをひとつでも多くのゴールに結びつけたい。PASSIONとともに厚い攻撃をピッチで表現し、勝利を掴み取ろう!