ベガルタ仙台は明治安田J2リーグ第8節・秋田戦を1-0で勝利。2試合連続で同じスコアを記録し、これが今シーズンのリーグ戦で初めての連勝となった。その前節の内容は決して楽なものではなく、特に後半は相手の猛攻を受けてシュートを打つこともできず。しかしGK33林彰洋を中心に自陣に壁を築き、1人が抜かれてももう1人がカバーする献身性を互いに発揮し、相手にゴールを許さなかった。
少し前の仙台には、複数失点の試合が続いて勝点を逃す悔しい試合が続いていた時期もあった。しかしDF39石尾陸登が「練習のときから、失点をしないことを前の試合のスタメンだけでなくすべての選手が意識してできています」と話すように、長期的に築いてきた守備組織と、個人の守備能力の成長があり、そこに試合ごとの経験から学んだものが加わる。その成果としての2試合連続無失点であり、これからも仙台は成長の余地を残している。
ホーム・キューアンドエースタジアムみやぎで続けて行われる今節は、仙台が自信を深めている守備の強さが試される一戦だ。対戦相手の今治は今シーズンに初めてJ2リーグ戦を戦っているが、ここまで4勝3分1敗と好調だ。倉石圭二監督のもとで、高く設定したプレーエリアで攻撃も守備も行うスタイルを作っている。この攻撃的スタイルで、勝負の時間帯に一気にたたみかける。スピードのあるFW10マルクスヴィニシウスとパワフルなFW11ウェズレイタンキが攻撃を引っ張り、マルクスヴィニシウス同様に昨季J3得点王のFW13藤岡浩介も怖い存在だ。彼らにサイドからボールを供給するMF9近藤高虎やDF37梅木怜といったサイドアタッカー、自ら持ち上がれるMF17持井響太ら、アグレッシブにしかける選手が並ぶ。
仙台はこの今治の厚みのある攻撃を食い止めたい。特に相手の強力FWと激突するDF5菅田真啓とDF44井上詩音のセンターバックは、前節までのタフな試合のように1対1の強さを発揮したいところ。さらに、相手前線へのパスルートは中盤のボールハンターMF6松井蓮之やMF17工藤蒼生、サイドのDF25真瀬拓海たちがしっかり断ち切ることが求められる。
そして球際での戦いを制すれば、今度は素早く攻撃に切り替え、一気に速攻へ持ちこめれば相手ゴール前でのチャンスにもつなぐことができる。相手が前がかりなぶん、その背後を前節・秋田戦で得点したMF27オナイウ情滋のスピードや、FW47荒木駿太の飛び出しとパスで突き、ゴールを奪い取りたい。
今治の強力な攻撃を食い止め、跳ね返し、そして電光石火の攻撃につなげて打ち破れるか。PASSIONを込めたプレーで、相手を上回る攻撃の勢いを生み出し、ホームでの連勝を手にしよう。