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VP EYESMATCHDAY PROGRAM
「V PRESS」

ハイボールとこぼれ球をめぐる戦いの予感。
球際の争いを制し、前へのパワーにつなげたい

 2025シーズンの明治安田J2リーグ戦で、ベガルタ仙台にとっては4回目のホームゲーム。キューアンドエースタジアムみやぎに今節迎えるのは、同じ東北の秋田だ。相手サポーターも数多く駆けつけて試合を盛り上げる一戦だが、やはり仙台がホームの強さを発揮して試合を制したい。

 その勝利の鍵を握りそうなのが、前へ向かうパワーだ。

 相手の秋田は2020シーズンから指揮を執る吉田謙監督のもと、芯の通ったチーム強化を進めている。そのスタイルは明確だ。空中戦を中心にボールを前に素早く送り、その二次攻撃からゴールへ雪崩れこむ。FW10小松蓮とFW11梶谷政仁の2トップは運動量も前への推進力もあり、小松は開幕から5試合連続ゴールを記録し、前節も山口を相手に決勝ゴールを記録するなど得点感覚が冴えている。また、得意のクロス攻撃だけでなく、新加入MF20吉岡雅和のようにキープ力とパスセンスに優れる選手がタイミングを変えたパスで相手を崩す攻撃も増えている。守っては自陣ゴール前に堅固なブロックを築き、強烈な対人守備で相手の攻撃を阻む。DF71畑橋拓輝とDF4井上竜太の両センターバックは中央をガッチリ固め、最後尾のGK1山田元気の対シュート反応も速い。

 こうした攻守ともにパワフルな相手を、仙台はパワーでもテクニックでも上回りたい。もともと、森山佳郎監督のもとで、仙台は昨シーズンから攻守とも前への推進力を前面に押し出すスタイルを押し進めてきた。今シーズンはその推進力を発揮するかたちが増えており、相手の堅守やパワープレーを裏回る手段もまた増えている。

 たとえば両チームのゴール前が激しくなる空中戦。FW99宮崎鴻やFW18梅木翼はターゲットマンとして力を発揮し、簡単には相手DFのチャージでは倒れず空中戦を制する。そしてこぼれ球をめぐる戦いでも、FW47荒木駿太やMF11郷家友太が素早い反応とファイティングスピリットで勝ってくれるはずだ。守ってもDF5菅田真啓とDF44井上詩音のパワーが頼もしい。

 さらに、今シーズンの仙台は、相手の前への推進力を、テクニックで攻略する術もある。相手が激しいプレッシャーをかけてきても、寄せられる前にMF10鎌田大夢は絶妙なパスでかわして相手の背後を突く。さらに、守備ブロックの密集をMF24名願斗哉のドリブルで抜いたり、サイドバックDF25真瀬拓海やDF39石尾陸登の攻撃参加で数的優位を作ったりして剥がすことも可能。パワーにテクニックを組み合わせ、この前への力比べを制したいところだ。

 ハイボールやこぼれ球をめぐり、激しいぶつかり合いが頻発しそうな一戦。仙台はPASSIONとともにパワーとテクニックを遺憾なく発揮し、ホームでの勝利を掴み取る。