明治安田J2リーグ戦が約2週間ぶりに再開する。ここから先の4試合は、J1昇格に向けたラストスパートの時期。中断期間中に修正したり、上積みしたりしてきたことを、目指す目標のために惜しみなく発揮したい時期。そしてこれまで出場してきた選手も新たに出番をつかむ選手も、ピッチに立っている選手もそれ以外の選手も、総力を結集して前へ、上へと突き進む時期でもある。
ベガルタ仙台にとっては、この中断期間に磨いてきたことを思う存分ぶつけたい試合がこの第35節だ。ユアテックスタジアム仙台に迎える相手は、前節終了時点で首位に立つ横浜FC。この試合の結果によってはJ1自動昇格の条件を満たすこともあって、そうとう気合いの入った状態でこの仙台に乗りこんでくるはずだ。だが仙台としては、この相手を倒し、乗り越えることで、この先に目指す場所へ近づかなければいけない。DF22小出悠太は「相手が首位であることは抜きにしても、自分たちが出せるものをすべて出して戦うことが第一」と、言葉に力をこめる。
横浜FCはここまでのリーグ戦34試合を終えて総失点がリーグ最少の20であることからもわかるように、大崩れすることなく相手の攻撃を食い止め、勝負どころでの1点を決めて堅実に試合を運んできた。20試合負けなしという強敵ではあるが、仙台は第7節で逆転勝利をおさめたように、臆することなくこのホームでも相手に挑みたい。
横浜FCはGK21市川暉記を筆頭にミスが少ない守備陣がそろっており、ディフェンスリーダーのDF5ガブリエウやDF2ンドカボニフェイスらの1対1の強さも光る。正面からの勝負ではなかなか抜きにくいので、仙台が攻める場合には左右の揺さぶりなど工夫が問われる。また、横浜FCは奪ったボールを確実に前方に届けるフィード能力が高い選手も多く、特にDF24福森晃斗の左足は脅威だ。彼のいる左サイドを警戒していても、逆サイドのMF8山根永遠も正確なクロスからアシストを数多く記録している強敵。前線にはFW38髙橋利樹やFW78ジョアンパウロのように、ラストパスに対して勢いよく反応して押しこむ選手がいるため、彼らにボールが届く前に食い止めたいところ。また、相手セットプレーの場面でも、福森のキックだけでなく、二次攻撃への反応が鋭いことも警戒したい。
仙台は相手にクロスを上げられる前に、こちらがサイドで主導権を握り、押しこんだり相手のサイドを取ったりしたい。右サイドのDF25真瀬拓海、左サイドのDF39石尾陸登の両サイドバックは攻撃のツボをおさえた前進が武器であり、同サイドのMF11郷家友太やFW7中島元彦らと息の合ったプレーで相手を突き崩せればチャンスは広がる。彼らからのパスに対する、FW9中山仁斗やFW15梅木翼といったフィニッシャーの強さにも期待したい。この中断期間で上積みしてきた攻撃を出し惜しみなくぶつけ、サイドを中心に相手を攻略する場面を何度も作り、結果に結びつけられるかが問われる。
勝利のためにPASSIONを出し、試合後には喜びのPASSIONを開放できるホームゲームにしよう。仙台に関わるみんなの力を、このユアテックスタジアム仙台へ。