8月3日の明治安田J2リーグ第25節・清水戦から、ベガルタ仙台は連勝。リーグ戦の中断明けで結果を残せている理由として大きいのが、攻撃でも守備でもひたむきに前へ進む姿を取り戻したこと。それぞれのプレー強度の高さだけでなく、複数人で動くイメージを合わせることで、チームとしての強度をさらに増すようになった。
この自信をさらにこの先も結果につなげるため、今節もユアテックスタジアム仙台で勇気を持って前に出るサッカーを実現したいところ。今節の対戦相手は鹿児島。ユアスタにこのチームを迎えるのは初めてのこととなるが、どの相手に対しても仙台の持てる力をぶつけ、勝利したい。
鹿児島とは5月6日のJ2第14節で対戦しており、このときは仙台が1-0で勝利した。しかし、このときとは相手の状態も変わっている。シーズン途中から浅野哲也監督が率いることになった鹿児島は、前回対戦のようにサイドの選手が中に絞るポジションを取って攻撃を組み立てるかたちから、よりオーソドックスな4-2-3-1の動きに変わっている。ただし、浅野監督は守備から鹿児島を改善してきた効果のひとつとして、それまでより高い位置からプレッシャーをかけてくるようになった。
この勝負の鍵になりうるのが、プレスとクロス、それぞれで仙台が相手との違いを見せることだ。
プレスについては、前述のとおりで鹿児島が前の方から積極的に圧力をかけてくる。中盤にも新たに加わったMF19稲葉修土のように1対1に強い選手がおり、ボールに対して積極的にチャレンジしてくるだろう。だが仙台も基本的に前線から高い強度でプレッシャーをかけるスタイルであり、その真っ向勝負となれば相手を押し切れる強さが必要だ。MF11郷家友太やFW98エロンといった前線の選手が献身的に前に出てプレスをかけ、そこにしっかり後ろの選手がついていくことが求められる。中盤で鋭いプレッシャーを見せるMF6松井蓮之が出場停止なのは痛いが、MF17工藤蒼生のように同じエリアでファイトしてボールを奪える選手もいる。競り合いを制し、ボールをしっかり足下におさめたい。
そしてもうひとつのポイントがクロス。相手はサイドバックのDF3外山凌が両足で高精度のクロスを上げ、レフティーのMF21田中渉も絶妙なカーブのかかったクロスを供給。ターゲット役にも、FW38有田稜のようにクロスに飛びこんでゴールに結びつけられる選手がいる。セットプレーではヘディングが強いDF5井林章も厄介だ。しかし仙台は相手のクロスに対してはDF5菅田真啓やDF13實藤友紀、DF22小出友太らが跳ね返し、その後ろでもGK33林彰洋が構える体勢が整っている。そして、序盤戦で課題だった攻撃時のクロスにも改善が見られている。DF25真瀬拓海は残念ながら出場停止だが、DF41内田裕斗の鋭いクロスや、練習を重ねているDF2髙田椋汰にも期待したい。中盤では清水戦でMF37長澤和輝のゴールにつなげたFW7中島元彦、これまでクロスからアシストを記録しているMF14相良竜之介も大きな武器だ。
PASSIONのこもったプレスとクロスで相手との違いを見せ、このホームでまた勝点を積み重ねよう。