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「V PRESS」

　在籍18年目はこの時点でクラブ歴代最長。しかし富田晋伍はその過去の記録よりも、今のチームに対して何ができるかを考え、ピッチ中央で試合のコントロール役を担う。

　プロ1年目、2005年のJ2開幕戦でデビュー。それからJ2での長い戦いも、J1昇格とJ2優勝も、J1での優勝争いも、ACLの戦いも、仙台のユニフォームを身につけて経験してきた。どの時期でも、中盤の底、ボランチのポジションで得意のパスカット能力を発揮。そして、様々な状況、様々な相手との対戦を重ねてきたなかで、“読み”の部分にも磨きをかけている。1対1で粘り強くボール保持者に食らいつくこともあれば、相手のパスコースに先回りして奪い取ることも。富田のボール奪取能力は、何度となくチームを救ってきた。

　東日本大震災の発生から11年が経過して迎えるこの一戦では、2011年の3月11日を仙台で経験した富田は「復興に終わりはないと思っています。自分達のプレーから何かを感じ取ってもらったり、ベガルタ仙台が話題になって笑顔になってもらえたりしたら」という思いを胸にこの試合に臨む。様々な経験を経て、この大事な一戦でも富田はチームを支える。