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試合日程/結果

2018 明治安田J1 第18節 セレッソ大阪

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。15,000人近いサポーターが、最高の雰囲気を作ってくれました。前回のホームゲーム(前々節・横浜FM戦)では、非常に痛い敗戦をした後だったので、それにも関わらず今日のような雰囲気を作ってくれたサポーターに、本当に心から感謝しています。そのサポーターに、今日こそは、という思いで、勝点3を届けたかったのですけれども、最後にあのような結果になってしまい、今は悔しい思いでいっぱいです。
 何とか、今の自分達がやれていることとやれていないことをしっかり整理して、この失った勝点というものを次節以降にしっかり取り戻せるように、連戦が続きますから、そこでパワーを持ってのぞんでいけるように、またチームを盛り立てていきたいと思います。

■前節(・鳥栖戦)は終盤に先制して、その後にキープするなどして時間を使うことができましたが、今日は最後の時間帯に大きく蹴るプレーが多くなってしまいました。そのような進め方を選んでいたのでしょうか。

 おそらく、マイク( ハーフナー)が出たことによって、まずはクロスボールに対して、よりターゲットを明確にするということ。実際に、その最後のプレーだけでなくとも、割と早めにクロスを上げるシーンが目立っていたので、できればもう少し相手陣内に我々が押しこんだ状態でクロスを上げたい、そうすればC大阪さんも戻ってくれますから、カウンターも防げる。そのような中で、逆転ゴールを奪うのが理想でした。
 ただし、やはりそこもどうしても上げるのが早くなってしまって、オープンな展開になっていました。その中でも逆転ゴールを奪えたことで、我々にとっては勝点3に近づいたのですけれども、その流れのまま最後のアディショナルタイムを過ごしてしまったな、ということがすべてだと思います。
 決して、「ロングボールで何とかしようぜ」と選手たちが思っていたとは、思えません。今まで通り、しっかりと相手陣内で時間を過ごす、そのことがもともとやれる選手たちですから、そこを何か急に変えたということはないと思います。
 ただし、我々にとってマイクのようにターゲットになれる選手というのは本当に久しぶりで、もちろん彼の良さというものを生かそうと思えば、どんどんボールを供給するということは、あって然るべきだと思います。ただし、それが最後のところの時間の使い方というところにも、あまりにもプレーを共通させてしまいました。そこは1回プレーを整理させれば大丈夫だと思います。ただし、それを整理するにしても、あまりにも痛い(勝点)マイナス2だったなと思います。

■「やれていることとやれていないことをしっかり整理して」ということについて、ボールの動かし方などできていることは多かったようですが、できていないところはどこだと監督は感じていますか。

 端的にいえば、最後の時間の使い方です。
 今日のゲームに関していえば、そこに尽きるかなと思います。ただし、その前にシュートで終わるようなかたちもあったのです。そのアディショナルタイムの数分の中で。別にそれは、しかけの意識を持とうと思えばOKだし、追加点を取れればそれに越したことはないし、でも、そうしない選択というものもできたのではないかと。結果論なのですけれども。そこのジャッジに関していえば、今日は間違っていなかったと思います。シュートを打ったということに関しては。
 でも、やはりそれ以外の部分での時間の使い方ということについていえば、あまりにも稚拙でした。それは今日のゲームに関していえば、できていないことの大きなひとつかなと思います。
 あとは、前半の失点の仕方で、不用意なファウルで相手にFKを与えた。それ以外にもいくつかFKを与えてしまったものがありますし、CKではなくスローインに逃げられる局面も合ったと思いますので、そういうものは、もっともっと減らしていかなければいけないと今は思っています。

■最後の時間の使い方について、ベンチからキープすることやボールの置き方などの指示は出ていましたか。

 送りました。送りましたが、それは送らなくても判断できるでしょうというところは、正直なところ私の中にはあります。それも指示したからそれをやります、というのでは戦えないですよ。プロですから。それは選手がしっかり判断してやることが全てです。日本代表のポーランド戦と違い、そこは戦略的にどうこうではなくて、このゲームを勝とうと思えば、どうやってやるのかということは、彼らはしっかりやれていましたから。
 もちろん「角に持っていけ」という話はしましたけれども、15,000人の素晴らしい歓声があれば、そんなものはおそらく届いていないでしょうし、それはしっかりと11人の選手が判断してやれば、しっかりできること。では最後のワンプレーのところで(関)憲太郎が蹴って、そのボールがどこに行ったかといえば、相手のGKです。それはどうなの、というところを考えれば、別に答えはわかるのではないでしょうか。

■最後に失点しましたが、それまでの流れとしてはピンチらしいピンチも流れの中でもなく、最後の失点までのゲームの組み立てについては手応えはありましたか。

 それは先程の質問を借りれば、我々が「やれていたこと」です。では、中断明け以降に攻撃の流れが滞ることがあって、なかなかチームとして前進できない、あるいはフィニッシュできないことが実際にありました。
 でも、今週のトレーニングを見ていて、おそらくそこはひとつ吹っ切れたな、というところが私の感覚ではあったので、今日のゲームは、そういうポイントに関していうと、すごく楽しみにはしていました。実際にそれを今日はやはりやれたので、それが今日のゲームに関していうと、我々がやれたこと、あるいは今までやれていたことをしっかり取り戻せたことだと思います。
 それがなぜかというと、マイボールの時にしっかりと自分たちがいい立ち位置を取る、それによって相手がどこに食いつくのか、相手の変化を見る、それができれば、ああやってゲームを自分達で握れるということを表現できたと思います。
 実際に、シュート数はまだ見ていないのですが打てていたと思いますし、非常に可能性のあるクロスというものもたくさんあったし、それについては全然、なんら悲観することのないゲームだったと思います。

■割と1対1の場面を多く作られて、うまくしのいではいたと思うのですが、それで大きく問題はなかったのか、あるいはそういう場面を減らしてもっとうまく守れたかもしれなかったのか、どう思いますか。

 それも先程の、早くクロスを上げたというところとリンクしていて、全体を押し上げてからクロスを上げる、相手陣内で自分たちのプレーをする、そういう選択をできれば、おそらくそういうシチュエーションにはならなかったと思います。
 なぜ1対1にさらされてしまったのかというと、展開がオープンになってしまったからです。勿論、1-1のゲームでお互いに点を取ろうと思えばそういう展開は起こりうるので、それをすべて消そうと思えば難しいと思います。
 実際に早めにクロスを上げたシーンが、本当にその判断が間違っていたかというと、そんなことはないシーンもあったので、実際に早めに上げてチャンスになったシーンもあったと思うのです。ではそれを全て待つのかというと、それはまた違う問題なので、ではああいうオープンな展開で1対1になる場面は勿論減らしたいです。
 でも、私が常日頃選手たちに言っているのは、「3対3はピンチじゃない」「4対4だったらなおさらピンチではない」と。1対1、2対2に、広いスペースでさらされるとそれはピンチですけれども、では今におっしゃったような1対1の局面というものが、どれくらいのスペースがあってそうなってしまったのかということを、これから映像でも振り返ってみたいのですが、おそらくそこまで危険な1対1とか2対2はないのではないでしょうか。全体を見れば、おそらく3対3、憲太郎を加えれば我々は数的優位の4対3、それは我々にとってピンチではないので、そういう状況であればそんなに危惧することはないと思います。