VEGALTA SENDAI Official Website BACKNUMBER

試合日程/結果

2018 明治安田J1 第13節 湘南ベルマーレ

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。ゴールデンウイークの最後の日曜日に、遠い平塚まで、本当に多くのサポーターが駆けつけてくれました。非常に心強かったです。
 リーグ戦で5試合勝てていない時期が続いていて、ともすれば少し落ち込みがちな時間を過ごしてしまいそうだったのですけれども、前節のG大阪戦の後に、選手とも話をして、いろいろなものを少し明確にして、クリアにして、そして今日にのぞみました。
 今日のゲームプランを考えた時に、風がひとつポイントになると思っていたのですけれども、90分のゲームを考えるよりも、「まずは頭からいって、しかけてやってみせよう」という思いがあったので、その通りに前半にスコアを動かせたのは良かったと思います。
 後半にある程度押しこまれることは想定内だったのですけれども、我々があれだけPKをもらえればおそらく相手にもPKを与えるでしょうし、そのへんは「注意しよう」という話は選手ともしていたのですが、映像を見て、本当にPKなのか確認したいと思います。
 我々も、配置を変えて、守備でどっしり構えようかという話もあったのですが、マイボールにしてしまえばあのままのかたちで相手陣内に進入できるという思いが私の中では強かったので、最後に配置を変えて守りを固めるところまでは、ちょっと引っ張りました。もしかしたらそれは、名将と呼ばれる人だったらもっと早く代えて、もっと落ち着いてゲームを進められたのかもしれません。
 でもそれは、我々が発展途上のチームで、「決して受けに回らず、前への意識をを持とうぜ」というような話をして送り出した以上は、やはりそういったところはチャレンジしたかったので、結果的に最後、(西村)拓真がああやって足を止めずに3点目も突き刺してくれましたし、非常に我々にとっては大きなゲームになったのかなと思います。
 長い長い連戦もあと4つですけれども、全部勝つつもりで、最後駆け抜けたいと思います。

■しばらく勝ちが遠のいていて、久しぶりの勝利ということで、これまで勝てなかった5試合と比べて、チーム内でどういったところに変化があったのでしょうか。

 中3日で準備をして、3日ですべてが変わるのだったら、とっくに変わっているので、そんなに急に何かが劇的に変わったから今日は勝てたというつもりは全然ないです。
 ひとつは、やり続けたこと。「我々はこういうサッカーをやって勝つんだ」というようなものを、(前節の会場である)吹田のロッカーでも選手たちと確認しましたし、「だったらそれを研ぎ澄まそうぜ」というような作業をやったつもりですし、短い時間のなかで本当にやらなければいけないことを、トレーニングで落としこんだつもりですし、それは別に、この2日間、3日間だけでそれをやったからではなくて、今までの積み上げがあるからこそだと思います。
 今までと何が変わったのかといったら、3つ相手のゴールに入ったか入らないか、それだけじゃないですか。

■今日は(仙台移籍後初めて)初めて関口選手が先発した左サイドで、実際に試合が始まったらそのサイドが忙しくなりましたが、その左サイドの交代を含めたゲームプランを教えてください。

 まずは、関口が我々のチームに合流してきて、ようやくフィットネスのところで向上してきたところ、あるいは我々のチーム戦術というものに、マッチしてきたところ。彼が加入してからは、「いろいろなポジションをやらせるぞ」という話はしていたのですけれども、絶対にセキ(関口)が輝くのは左サイドだと私は分かっていたので、そこは最後の最後までとっておいたつもりです。
 実際にやっぱりそこをやらせれば、良いものを出してくれるので、非常に調子も良かったですし、思い切って今日のスタメンで使う、というものがありました。
 そして、彼とは話をしていて、「お前、何分やれるんだ」と。「いや、やれるところまでやります」と言ったので、おそらく持っても60分くらいだろうなという思いはありました。でも実際に、彼が退くちょっと前のところで、1回相手陣でしかけて、CKを取ったシーンがあったと思うのですけれども、ああいうものを見る限り、もう少し彼を引っ張れたかもしれません。
 でも、それをなぜ引っ張りたかったかというと、彼の持っているキャラクター、あれだけチームを鼓舞する姿勢だとか声だとか、そういうものは今のチームに必要なものだと私は感じていたので、できれば長い時間ピッチに置いておきたかった。でも湘南さんの両ワイドの圧力というものを感じていましたから、(永戸)勝也も決して今調子が悪いわけではないので、今まで本職でやっていた勝也をしっかり入れて、「まずは守備で蓋をする、アタックになったらどんどん出ていけ。高山選手をひっくり返せ」と。そういうところの狙いがありました。
 もう少し相手の陣内でプレーする時間が増えれば良かったのですけれども、おおむねよくやれたのではないですか。

■後半はちょっと試合が変わってしまいましたが、前半の45分間は本当にパーフェクトといっていい内容だったと思います。これからのベガルタを考える上で、今日の前半45分間は非常に大きな財産になると思いますが、いかがでしょうか。

 良かったと思います。先程も申し上げたとおり、まずは風があるというものをしっかり考慮したということ、ただ、それを考えた上でも、湘南さんが試合の中でもいろいろ立ち位置を変えてくるので、では湘南さんがこう来たら我々はここが空く、こう来たら我々はここが空く、ではそうやって前進していきましょうと。
 ただし、前進したところで、今までは脅威を与えられていなかったので、では最後のしかけの部分で、ちょっとアイディアをこの数日間で選手にも授けてやってみました。実際にゴールが生まれたクロスのシーンに関して言えば、あれはもうずっと今年にトレーニングしているものなので、急に何かがうまくいったわけではないです。だから、それに到る過程のような部分は、やはり相手の食いつき方を見て我々がしっかりとボールを動かせたというものは、意義のある45分だったと思います。

■後半にあれだけ押しこまれたけれども押し返せた時間もあったという意味では、私にとっては後半の45分間の方が、これからのベガルタにとって勝ちがあるのではないかと思ったのですが、いかがでしょうか。

 願わくば、もっとマイボールの時間を増やしたかったです。後半は。でも、やはり0-2になれば相手も前掛かりになるのは間違いないですし、それを我々は、先程申し上げたとおり、守備で受けるのではなくて、やはり攻撃でそれを外していって、理想を言えば先に我々が3点目を取ってしまうというかたちを望んでいました。
 それができなくなったひとつの理由としては、風も含めて湘南さんの圧力というものを、必要以上に感じすぎてしまったかなと。あとはやはり、(後半の)早い時間帯に失点があったので、どうしても選手がメンタル的に受けに回ったところがあるかもしれません。ただし、ベンチでも見ていて、自分たちが立ち位置さえ取れば外せるし、相手陣地に入っていけるというものが、もう少しクリアにあると良かったかなと思います。それはもう、選手たちがそれぞれ感じることだと思うのです。我々が「こうやってやろうぜ」といったものは彼らもわかっているので、そこをもう少しおそれずにマイボールにしようとするような意識があれば、もしかしたらもっと早くとどめの3点目を刺せたかもしれません。
 素晴らしい45分と言っていただいて嬉しいのですけれども、満足することなく、もっともっと突き詰めていきたいと思っています。