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試合日程/結果

2017 明治安田J1 第32節 大宮アルディージャ

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。久しぶりのJリーグ、ホームゲームで、まずは勝点3を取れたことを、非常に嬉しく思います。15,000人を越えるサポーターが、我々の背中を強烈に後押ししてくれました。彼らのエネルギーとかパワーがなければ、今日のようなゲームはできなかったと思いますし、サポーターのみなさんに感謝を申し上げたいと思います。
 久々のゲーム、そこに向かうフレッシュさ、そういったものを前半の立ち上がりから選手たちが表現してくれたのではないかと思います。対大宮、というところでの準備を、攻撃においても守備においても、しっかりとチーム戦術の中でも遂行して、チャンスもしっかり作り出していたと思います。先制点を取るまでは、少し押しこまれる時間もありましたけれども、そこは割り切って守るといったところも、今シーズンのテーマであったので、そういったゲーム運び、流れを読む力、そういうものがついてきた証なのかなという感じはしています。
 ただし、「もっと点を取らなければいけない」という話を、今、選手にもしました。「あと3点、4点、取れたよね」という話ではなくて、「やはりそれを取らなければいけない」と。そういうところで我々は今シーズンに苦しんできましたから、そういったところは見逃すことなく、しっかりと突き詰めて、また残りの2ゲームにつなげていきたいと思います。
 あとは最後、いろいろ我々もアクシデントがあって選手の配置を変えるなどしましたけれども、その中でも菅井が非常に素晴らしい働きをしてくれました。本来であれば右のウイングバックで彼の推進力を生かして、もう1点、2点を取りにいこうという思いがあったのですけれども、マス(増嶋)のアクシデントで最終ラインに回りました。それでも、ベテランらしい……ベテランと言ったら怒られるかもしれませんけれども、経験値の高い選手として、非常に素晴らしいゲームの締め方をしてくれたので、今日の勝点3は菅井の力によるところも非常に大きいのかなと思います。

■大宮が新監督になってデータもなく、やりにくさもあったと思いますが、どういったゲームプランでのぞみましたか。

 まず、戦術的な狙いとしては、もともと鹿島でやられていた石井さんですから、鹿島のような攻撃のかたち、あるいは守備のかたちをやってくるだろうというような、予測は立てていました。実際にそれに対するトレーニングもやりましたから、そういった部分では、守備においてほとんど我々が使われたくないスペースは使わせなかったのかなという感じはしています。
 あとは、戦略的な部分で、大宮さんの置かれている状況、それもしっかりと我々は把握しなければいけないと。アウェイでもやはり、今のシチュエーションを考えれば、勝点3をマストと考えるのが大宮さんですから、「焦れることなくゲームを運ぶことが大事だ」ということも選手と話しました。
 実際にそういったものをいろいろと頭にインプットしてやれたからこそ、今日の3-0という結果があったというように思っています。

■あと一歩の所で考えてしまってゴールまでいかなかったところもありましたが、判断のスピードを上げていくためにどういったところを改善していきますか。

 決定機を逃したシーンだけを切り取れば、私は判断というより技術的なミスだったと思っています。単純に(西村)拓真がコントロールをミスして相手に渡してしまったところ、最後にヒラ(平岡)のシュートもそうです。クロスも、ゴール前を横切るのはクロスではないのです。味方に合わせるのがクロスですから、何となく蹴って「惜しかったね」ではなくて、それを誰に合わせるのかというところはもう、クオリティーですから、質の問題だと思います。
 おっしゃったような状況判断のスピードを考えるとしたら、我々が1人多くなったときに、少し思考とプレーが遅くなった。そこに問題があるとしたら、そちらの方に問題があるかなと思います。実際に、そのようなかたちで(第29節で)川崎Fさんにひっくり返されましたから、一瞬、数分なのですけれども、言葉は悪いかもしれませんが「遊びだした」瞬間があったのですよね。本当に、ワンシーンです。あれば、プレースピードが遅くなる、あるいは判断が遅れる1番の原因ですから、そこの方が、問題があると思います。
 決定機を逃したということに関しては、明らかにクオリティーだと私は思います。

■増嶋選手の先制点が非常に大きな意味を持ったと思いますが、今シーズンになかなか出られない時期もあっても、こういうところでしっかり結果を出したところでの評価をお願いします。

 ゴールは「よく入れたな」という感じのゴールだったのですが、最終ラインの選手はセットプレーでチャンスになりますし、セットプレーでゲームを動かすというものが大事だよ、という話はしていますから、そういった部分で、よりアラートになってチャンスをうかがってくれたからこその得点だったのかなと思います。
 ただし、今日のマスに関していえば、その得点で我々が非常に優位に立ったことも大きいのですけれども、守備におけるパフォーマンスが素晴らしかったのではないでしょうか。冒頭に申し上げたとおり、大宮さんに使われたくないスペース、そこに走らせないようなポジショニングというものがあって、そういうものをまめに、マスだけに限らず後ろの3人がやってくれたからこそ、大宮さんの得点を許すことをしなかったと思いますので、守備における貢献も高かったと思います。
 経験のある選手が、試合に出られない状況が続くと、すごく気持ち的にも不安定になりがちですけれども、本当にマスはそういったことを表に出さずに、ずっとぐっとこらえてやってくれましたから、残りの2試合でも、チームの力になってくれると思います。

■中断期間もなかなかけが人が戻れない中で、出たメンバーがこれだけ戦術を遂行できたことから、選手層の底上げを実感できた試合でしたか。

 それは、全員がそろったときに初めて言いたい感じがしています。健全な競争ができるのはやはり、全員がそろったときだと私は思っているので、実際に今、ベンチに入っている18人が元気でやれている18人だという状況で、そこに選手層が厚くなったのかというと、もっともっと激しいチーム内の競争を乗り越えた先にそういうものがあって、では誰が出てもおかしくないという状況を作り出して初めて、選手層が厚くなったと言えると思うのです。
 そういう部分では、今日の菅井は本当に素晴らしい働きをしてくれましたし、普段にやり慣れないポジションでもやれたというのは、チーム戦術の浸透度の高さがうかがえると思います。
 一方で、たとえば途中から出た茂木が、何となくチャンスも作って、シュートも打って、気持ちよくやって、「茂木も良かったね」と言える状況だったけれども、それこそ昨季の話ではないけれども判断を変えれば、もっともっといいプレーの選択もあったと思うので、そういった部分は、若い選手にしてみれば、もう少し底上げをしなければいけない、という部分はあったと思います。