2017 明治安田J1 第14節 ヴァンフォーレ甲府
お疲れさまでした。2週連続でホームのユアスタでゲームをやることができて、前節は久しぶりのホームでの勝利でした。何とかその勢いをしっかりとこれからの我々のエネルギーに変えていきたいという思いで、今日は甲府戦にのぞんだのですけれども、今日しっかりと勝ちきることができて、非常に嬉しく思います。
13000人を越えるサポーターが集まってくれました。我々に大きな大きなエネルギーをくれたので、その彼らのパワーに感謝をしたいと思います。
それと、この6月でユアスタが20周年ということで、今日は節目のゲームだったと思うのですけれども、そういった日に勝つことができたのも、非常に嬉しく思います。普段から非常にいい状態にピッチを整えてくれて、我々に素晴らしい環境を提供してくれるスタジアムの関係者にもこの場を借りて御礼申し上げます。本当にありがとうございます。
ゲームについては、大方の予想通り、我々が甲府さんを相手陣内に押しこむというかたちで推移していったと思います。5バックの相手に対するゲームというのは久々でしたので、どれくらい我々がアタックで効果的なものを出せるのかというところが今日のゲームは問われたと思うのですけれども、非常に粘り強いボールの動かし方、あるいはしかけどころの見極め方、そういったところが整理されていて、前半から相手の嫌なところへボールを供給できたと思います。
相手が退場になったから3-0になったということではなくて、11人対11人でも、しっかりと我々は、攻撃をして追加点を奪う権利はあったと思います。それくらいしっかりと、ゲームが我々のものにおさめたなかで、進むことができたと思います。
相手が10人になってからは、欲をいえばあと2点、3点を取れた場面がありましたし、そういったものは突き詰めなければいけないのですけれども、ひとつ、複数得点、あるいはクリーンシート(無失点)というものを、我々の自信にして、また次節以降につなげていきたいと思います。
■梁選手がゴールを途中出場から決めましたが、チームの競争がいい方向にいっているということでしょうか。
おっしゃるとおりです。久々にスタメンから外れて、彼自身も非常に悔しい思いをしたと思いますし、アウェイの広島戦同様、そういった悔しさを健全なエネルギーに変えて、ピッチに出ていったからこそ彼のゴールが生まれたと思います。少し彼とは、昨日に話をして、戦術的な整理と、あとはいろいろなタイミングの部分とか、走る場所だとかを彼と話をして、このゲームにのぞみました。
実際に、相手も10人で、彼らの立ち位置も変わっていましたから、広大なスペースの中で何ができるのかというものは、また話とは違うものがあったとは思うのですけれども、確実にあそこのゴールを仕留める、あるいはあそこに入っていく、そういったものは、彼が成功体験として得る中で、取り戻すものはたくさんあるのかな、と思います。
おっしゃるように、これからまた競争が厳しくなると思いますし、少し間が空きますから、またそこでそういった部分を私自身も煽って、チーム力を高めていきたいと思います。
■今日先発した前の3人のコンビネーションの評価と、西村選手が得点こそなかったもののいい動きだったことについて、良くなったところを教えてください。
まず、3人のコンビネーションについて、正直、紅白戦の時はあまりしっくりきていなくて、もう少しお互いを見ながらやれたらいいなと感じてはいました。あとは、クリス(クリスラン)がちょっとワンタッチにこだわっている部分があったので、もちろん相手を背負っていれば効果的なのですけれども、そうでないときはおさめられるよ、と。
特に今日に対峙した山本選手は非常に予測の優れた選手ですから、ワンタッチのところを狙ってくるだろうと。だとすれば、彼の体の大きさを生かして1回おさめた方が、いいんじゃないかというような話は個人的にしていました。実際にそのようなタイミングでシャドーの2人が動き出して、いいコンビネーションが生まれたのかなという感じはしています。
あとは、甲府さんの5バックの食いつく場所によって、ではクリスがどこに走ったらいいのかというものをちょっと整理したのですけれども、そういった部分ではルヴァン(カップ)の札幌戦とちょっと似たところがあって、そのあたりは(西村)拓真とクリスの関係で、相手の嫌な所を突けたのかなという感じはしています。
もっともっと効果的な崩しというものは期待したいですし、高まっているところがあるのかなというところは感じさせてくれました。
西村についてですけれども、もともとストライカーなので、シャドーのポジションからでもどんどん相手の背後を取るようなアクション、それが今は非常に効果的で、その動きによって相手の最終ラインを下げる、今日みたいに逆に食いついてくれれば、彼のところで1発で相手の背中を取れる、それが今は本当にいい方向に回っているのかな、という感じはしています。
拓真もちょっと、フリックやワンタッチのプレーは決め打ちになっている部分があるので、そのあたりは少し判断がついて、1回おさめたり、フリックの出す先を、少し角度を変えたりということができれば、冒頭のコンビネーションにもつながると思うのですけれども、もっと効果的になると思います。非常に今、成長している選手の一人かな、という感じはしています。
交代させたときにも、多分点を取れなかった悔しさを顔ににじませていたので、それを次のエネルギーに変えて、また成長していってくれればと思います。
■J1通算50得点となるゴールを決めた、石原選手の評価をお願いします。
ナオ(石原)も、今は我慢強く、粘り強くやってくれている選手の一人です。
どうしても彼のタイミングでまだまだ出し手が出すことができなくて、ナオ自身も少しフラストレーションが溜まる日がずっと続いていました。そのあたりも彼とはじっくり話をして、球が出てこなくてもまずは動き出しをやめないでくれと。なぜなら、彼の動きをしっかり見られるようにならないと、あるいは彼のタイミングを我々、ほかの選手が見逃さないようなかたちにならないと、チームとしては高まっていかないので、お前がやめたらもう終わってしまうという話を、今週の初めにしました。
もちろん、球が出てこなかったらストライカーは動き出しをやめてしまいがちなのですが、そういったところを、仲間を信じて動き出しを続けたからこそ、ああいったかたちでのゴールにつながったのかなという感じはしています。
得点を挙げたシーンについていえば、今はクロスを狙う場所とか、受ける場所だとかといったところは、チーム全体としても整理をしているところなので、そういった効果が現れると思いますし、それ以外の部分でも、ナオがいることで相手のディフェンダーがそこに集結したり、あるいは彼自身が空いてきたりといったところの出し入れを、効果的にやってくれているので、もっともっとナオが輝けるようにほかの選手もやっていかなければいけませんし、おそらくそういうかたちが増えてくると、我々のチーム力としても高まってくるのかなという感じがしています。