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試合日程/結果

2017 明治安田J1 第12節 横浜F・マリノス

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。日産スタジアムには毎年大勢のベガルタ仙台のサポーターが集まってくれて、今年も同じように多くのサポーターが我々の背中を後押ししてくれました。そのサポーターが構えるゴールに、最後は同点ゴールを入れることができたのも、彼らのパワーのおかげなのかなと思っています。ありがとうございます。
 前半の流れとか、ゲームの入り、あるいはその先のゲームの進め方、我々が今年に粘り強くここまでやってきたものを存分に披露することができたと思っています。ボールの握り方、動かし方、意図的に作ったチャンス、どれを取っても今日は相手を上回っていたと自信を持っています。
 ただし、勝負事ですから、あれだけあった決定的なチャンスを外せば、相手にも流れがいくし、あとはボールの失い方として、この間の大宮戦の反省というものが結局は生かされないまま、前半最後のつまらない失点につなげてしまったというものは、これから大いに反省、修正して進んでいかなければ、勝点3というものは獲得できないだろうと思いました。
 でも、おそらく、選手も今日はやっていて楽しかったと思います。やっぱり、やっている選手が、相手の逆を突いたり、駆け引きで勝ったりして、局面を楽しむ、あるいは結果を楽しむことがサッカーの醍醐味だと私は思っていますので、そういうようなサッカーの本質における楽しさというものは、選手も今日は感じ取ってくれたのではないかと思います。やっている選手が楽しければ、おそらく見ている人も楽しいでしょうし、もちろんそれを結果につなげなければ我々プロとしてはだめなのですけれども、小さいながらも今日は一つの成功体験として、この勝点1を持ち帰って、次節以降につなげていきたいと思います。

■圧倒的だっただけに悔やまれますが、前半の終わらせ方についてベンチから指示は出しましたか。

 特に指示というものはしていません。でも、時計の進み具合は選手に伝えながら、話はしていました。ただし、あの最後の局面だけ切り取ると、後ろ向きのパスを引っかけられてカウンターで出ていかれたと思うのですけれども、まずは(最終)ラインの牽制の仕方、そこは間違いではなかったと思います。逆に言うと、二列目からうまく抜け出されたと思います。もちろん、今はラインコントロールは少しまめにして、なるたけコンパクトにしたいというものがあるので、そこのトライというものは、もちろん失点に直結するので修正しなければいけないのですけれども、前向きに評価したいと思います。
 問題は、取られ方です。前半の途中ぐらいから、横パス、あるいは後ろのパスが引っかかって、相手に渡すシーンがおそらくあのシーンの前に三つくらいあったのです。それが本当に私の中では嫌で、許せなくて、それをなしにしなければいけないのに、結局ちょっとしたところから綻びが出たというところが、間違いなくあったと思います。
 やはりそこを突き詰めないといけないですし、もっと前向きなプレーやパスで引っかけられるぶんには大いに構わないと。そういうところを整理しなければいけないと思っています。
 ゲームの終わらせ方そのものについては、特に選手たちに何か認識がそれぞれずれていたという感じはしていません。

■同点ゴールを決めた大岩選手の評価をお願いします。

 守備に関しては、やはり相手のキープレーヤーである齋藤学選手に対して、しっかりふたをする役割は今日は(大岩)一貴だというようなタスクを彼には託して、ゲームを進めました。おそらく、流れの中で齋藤学選手が光り輝いたというようなところは、ほとんどなかったのかなと感じています。もちろんそれは一貴だけでなく全体のバランスの要素というものもあるのですけれども、そのあたりは彼の対人の能力だとか、まわりとのコミュニケーションによる守備の仕方というものは、非常に整理できている部分を今日は表現できていたと思います。
 アタックに関して言うと、相手のサイドハーフの選手の立ち位置で、我々が前進しやすいサイドというものがあって、それをしっかり見極めながら、一貴自身も自分のサイドから前進していくのか、逆から前進していくのかというものの判断は、今日はしっかり整理ができていたと思います。
 最後に、我々がもうひとつ点を取りたいという状況で、右サイドに中野を入れて、理想を言えばそこに一貴がもっとプッシュアップして右サイドの攻撃の厚みというものを増したかったのですけれども、相手もオープンで攻め残っていましたし、その点は彼の判断、あるいはチーム全体の判断で、自重した部分もあったのかなと感じています。
 でもそこに対しても、おそらくアイディアとしてあったとは思うので、あとはそれを実行や決断できるようなシチュエーションをまたチーム全体で作り出していければ、一貴の攻撃参加というものももっと効果的になるという感じはしています。

■中野選手が移籍後初出場でいい流れを作りましたが、監督の評価はいかがでしたか。

 もっとやれるんじゃないですか。入って最初のワンプレー、ツープレーぐらいは彼らしさがあって、もちろん突破して切れていないのですけれども、彼のボールの持ち方で相手が止まるというものが我々にとってはすごく重要で、アタッキングサードで彼がしっかり時間を作ってくれる、それによってまわりが動き出すタイミングを作ってくれる、そういうような効果を彼が入ることでやはり生まれるということは、私も含めてチームメートも認識できたと思います。
 そこからしかけて、最後の局面でラストパスがずれたシーンがいくつかあったと思いますし、ちょっと切り替えのところで相手のボールホルダーに対していけるところが、少し腰が引けたような場面が二つくらいありました。それがキャンプの時はもっともっといけていましたから、そういうところがゲーム感覚が向上する、あるいは恐怖心がなくなるというところで、もっと彼は良くなると思っています。あんなもんじゃないので、もっと期待していいと思います。