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試合日程/結果

2016 明治安田J1 2nd 第11節 横浜F・マリノス

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。ちょうど一週間前の(天皇杯2回戦盛岡戦の)悔しい惨敗から、我々がどのような回復力を見せられるか、挽回力を見せられるかというような、非常に重要な一戦だったという認識はしていました。
 試合開始直前に、サポーターが本当に素晴らしい声援を送ってくれて、やはりあの後からでも一緒に戦ってくれるんだというエネルギーをたくさんくれたことに、心から感謝を申し上げます。その思いに結果で報いることができず非常に残念ですし、先週同様に、申し訳ない思いでいっぱいです。
 ゲームの中味に関しては、横浜FMさんが、おそらく今シーズン初めてではないでしょうか、あのような立ち位置を取ったのは。そういうところで、我々の準備してきたものとどのようなマッチアップになるのかなというところは、ゲームの進み具合とともにじっくり見ていたのですけれども、我々にとってそんなに不利益なことはなかったと思っています。
 特に前半はその中をうまく出し入れしながら、相手のアンカーの脇、しっかりと間を取って、そこでターンしながら攻撃をしかけると。あるいは、サイドからクロスを入れていくというところで、狙いを持てていたと思っています。
 「もう少し思い切ってミドルシュートを打つだとか、あとはクロスも、思い切ってファーサイドまで入れてみるだとか、そういうところでトライする価値がある」という話をして、ハーフタイムに送り出しました。後半は往々にしてある、少しオープンになるところで、相手の良さがより発揮されてしまったのかなという感じはしています。
 その中でも、本当に最後のところでしっかり体を張って、自由にシュートを打たせない状況が続いたり、あるいは(関)憲太郎のセーブがあったりといったところで、何とか無失点で最低でもいかなければいけなかったゲームというように思っています。選手も少し代えながら、攻撃の少し変化も期待したのですが、やはり最後のところで、フィニッシュの精度であったり、ラストパスの精度であったりといったところでひとつ仕留められなかったと。逆に言うと、広島戦同様に、横浜FMさんはそこを仕留めてきたというところで、我々の成長がまだまだ足りない部分だと思っています。
 リーグの残り7戦を全部勝つというところで再スタートしたのですけれども、それが叶わない状況で非常に悔しいです。ただし、残り6戦、我々のこの一年はもうこの6試合しか残されていませんので、何とかその6試合を全部勝つつもりで、また前を向いて進んでいきたいと思います。

■ 最終ラインも中盤のラインも位置が高く、前からプレスもかけられていて、前半は長い時間相手陣内で攻撃し、主導権を握ってプレーすることができていました。その割にチャンスがかなり少なかったと上から見ていて思いました。これから積み上げていかなければいけない点を教えてください。

 まずひとつは、先程も申し上げたとおり、少し遠目からでもシュートを打つだとか、クロスの狙いどころというのは、横浜FM対策として、やはり普通に上げても真ん中の二人にはじき返されてしまいますから、どういったところを狙おうかというところを準備してきたつもりではあります。
 ただし、そこがちょっと選手の中には意識としてすり込まれすぎて、もっとシンプルに上げても良かったところをひとつ手間をかけたりとか、もしかしたらそれはトレーニングの中でやりすぎた部分かもしれませんし、選手が見ている景色の中で「ちょっと上げても難しいかな」と思った部分かもしれません。ただし、それでも、先程申し上げたとおりに、大きくファーサイドまで飛ばしてしまったり、そういったものもひとつアイディアとして持てていれば、もう少しチャンスも作れたのかもしれません。
 ただ、サッカーは90分でやるものだと常々私は思っていますから、前半でもちろんチャンスが作りきれなかったとしても、焦れずにゲームを進める、では後半にどうやって手を変え品を変えやっていくのかというところで、トータルで考えればその先にチャンスが生まれるだろうと考えています。
 ただ、やはり横浜FMさんとの違いを述べるつもりもないのですけれども、もう少し個で思い切ってしかけるだとか、そういうトライ、積極的なしかけというものはあってもよかったかもしれません。そういったものをまたこの先のトレーニングで落としこんでいきたいと思いますし、そういったものでもう少しチャンスというものを作れるのかなと思いました。

■ 盛岡戦と同じ(先発)メンバーで臨んだのは、奮起を促す狙いがあったのでしょうか。

 それもありました。やはり同じメンバーでどれだけ悔しい思いを返せるかというものは、示してほしかったですし、本当にありえない敗戦をしてしまったのですけれども、この一週間選手に言ってきたのは、「変えられるものにフォーカスしなければならない。変えられるものというのは、我々のこれから先なので、先の未来、試合結果なので、そういったものにエネルギーを注ごう」といったものを話した流れで言えば、やはりもう一度やってみろという思いで、同じメンバーで送り出したという部分もあります。
 あとは、残念ながら相変わらずけが人が多いので、どういった組み合わせが我々にとって有効になるのか、といったところを考えた時には、やはりこの11人でもう一回スタートして、コンビネーションも高まっている部分もありますから、そういうものを思い切ってぶつけてほしいという狙いもありました。

■ 「本当に素晴らしい声援」と仰っていましたが、実際にはどういった言葉が響いたのでしょうか。

 これも試合前のミーティングで選手に話したことですが、「今年一年間は、いろいろな想定内のものを増やしていこう」と。「それはピッチの中だけではなくて、いろいろなロケーションであったり、スタジアムの雰囲気であったり、アウェイだったら尚更だと思うのですけれども、そういったものも増やしながら、何かが起こっても慌てることのないように、そういった準備をたくさんしていきましょう」というものは、今年一年間のテーマとしてあります。
 その中で、やはり、あれだけの惨敗ですから、「もう応援したくないよ」と言われても仕方がないと、私の中では思っていました。実際にそういう思いをしていたサポーターもたくさんいたと思いますし、だからこそ私もこの場を借りて、ちょうど一週間前には謝罪をさせてもらいました。そういったことを考えれば、もしかしたら横断幕もないかもしれないし、サポーターが声を張り上げてくれないかもしれない。「そういったことが起こる可能性はゼロではない」という話を選手には試合前のミーティングでは伝えました。
 実際に、ウォーミングアップのところでは、いつもと違うような空気だったとは思います。ただそれも、アップから戻ってきてロッカーで選手に言ったのは、「キックオフになれば、必ず声援してくれる、それを信じて戦ってくれ」という話を選手にはしました。実際に、選手が入場してしばらくしてからと思うのですけれども、ベガルタ仙台というコールが鳴り響いたので、そこに関しては本当に感謝の思いしかありませんでしたし、ああいうような状況を受けても、我々を後押ししてくれるサポーターがこれだけいるんだ、という思いでいました。
 だから、何かの言葉というよりは、サポーターの姿勢そのものが、やはり心に響きましたし、それに対しては我々は報いなければいけないゲームだったと思います。
 一番の報いは、勝利ですから、それができなかったことは非常に悔しいのですが、何とか我々も残り6試合で這い上がっていきますので、ぜひサポーターの皆さんにもここでもう一度踏ん張っていただいて、ぜひ残り6試合を一緒に戦い抜いてほしいと思います。