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試合日程/結果

2016 明治安田J1 2nd 第9節 大宮アルディージャ

<渡邉晋監督記者会見>

 お疲れさまでした。まずは2000人近いサポーターが仙台からここ大宮に集結してくれました。本当に、ピッチも近いですし、素晴らしい雰囲気、我々の後押しを作ってくれたことに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 アウェイで難しいゲームになるということは戦前から予想していて、そういうメンタルの準備はしてきたつもりではあります。1点ビハインドというところで、「慌てずに、焦れずにもう一回自分達の立ち位置を攻撃でも守備でも取って、もう一回押し返そう」というような話をハーフタイムにして、実際に1-1に追いつけたところまでは、いい流れだったなと思います。
 アウェイですし、順位も近いところですし、勝点も一緒の大宮さんですから、もちろん勝点3を取りきれるのがベストですけれども、最低でもやはり勝点1で我々が終えて、あるいは大宮さんにも勝点を与えずに進んでいくことができなかったのは、悔しい思いですね。
 でも、本当に今は、選手がチームのやろうとしていることを、意欲的に前向きに取り組んでくれていますし、相変わらずけが人が多い状況なのですけれども、一人ひとりの選手がタフにやってくれているのは、間違いなく我々のチームの成長につながると確信していますので、決してこれで下を向くことなく、へこたれることなく、また次の広島戦に向けてしっかりと準備していきたいと思います。

■ 三田選手のゴールで追いついて、家長選手が退場したことで数的優位になったことで、チームは前掛かりの状態になりすぎてしまったのでしょうか。

 仰るとおり、そういった局面があったと思います。だからこそ2失点目につながったというようには思っています。
 家長選手が退場した後に、ピッチの中にはもう一度しっかり集中しろというような声をかけて、実際に富田もそういうことを周りのチームメートにも伝えていましたから、そんなに精神的に“イケイケ”になるようなところは、あの時点ではなかったと思うのですけれども、やはり我々がもうひとつ止めを刺すために、特に我々のサイドバックが高い位置を取りだして、そこで一つボックスの中で仕留めてしまえば、それが我々の勝ち越し点につながって、我々がもしかしたら勝点3を取れたのかもしれないといったところは、勝負のあやだと思うので、そういうような勇気を持ったポジショニングを取ったことに関しては、評価をしたいと思います。
 ただし、仰るように、いちばん喫してはいけないのは、カウンターですから、そういったところに対する備えというのは、もう少ししなければいけなかったと感じています。ただ、あの失点の場面では、我々がセカンドボールに対して、特に2トップが明らかに反応が悪かったですね。
 それまではしっかりと、我々のチームの原則として2トップが縦関係になってセカンドボールを拾うというのがありますから。ただしあそこの場面では、2トップが前に張りだしたままで、セカンドボールを拾う予測と反応が明らかに遅かった。それは彼ら二人が点を取って仕留めてやるという思いと、やはりチーム戦術をしっかりとやらなければいけないといったところでは、大いに反省しなければいけない点だと思います。
 そこがなければ、よりセカンドボールを我々が拾って、もう一度相手陣でプレーできたというところはあると思いますので、一人多い状況ですから、どこまで後ろに人数を割くのかという部分と、そういったセカンドボールを回収するポジショニングといったものを合わせて、修正、反省していきたいと思います。

■ 茂木選手をパブロ・ジオゴ選手に代えて投入して流れを変えましたが、彼をピッチに送りこむときに指示したことを教えてください。

 攻撃で効果的な立ち位置を取ってほしい、ということを伝えました。パブロ(・ジオゴ)はサイドハーフで出場するのは初めてでしたし、トレーニングでもサイドハーフでトレーニングする回数もそれほど多くはなかったので、どれほどやれるのかということはちょっと蓋を開けてみなければ分からない部分もあったのですが、パブロの良さを生かすために彼が外に張り出すといったところは大方周りも認識して、私も許容範囲で我慢はしていたつもりではいます。
 ただしそれを、ハーフタイムで「もう少し、相手の間に入る、ダブルボランチの脇で引き出すようなポジショニングを取ってほしい」ということは伝えていたのですけれども、効果的ではなかったので。茂木はもともとそういったところは取れますし、そこからまた前に行く推進力を今は発揮してくれていますし、そういったところを期待して投入をしました。
 結果的に、菅井が高い位置を取れたのは、茂木がそこを取ったからと思いますので、そういったところは我々が今年にずっと、チームとしてボールを動かす、あるいはそれを効果的にするという立ち位置を取れたところで、パブロの個人の良さを最大限に生かすのか、我々のチームとしての攻撃のかたちを最大限に生かすのか、そういったところの組み合わせを私自身もしっかりと精査して、いろいろなメンバー構成を組みたいと思いました。

■ 加入後初めて先発したパブロ・ジオゴ選手と、左サイドバックで先発した藤村選手の評価をお願いします。

 パブロは、まず個人の良さというものは、発揮できた局面は何回もあったと思います。開始早々ですか、相手陣の奥深くまで切り込んでいったシーンもありましたし、味方を使いながら彼も前進していったというものも、何回も見られたと思います。
 ただし、そこの最後のクォリティーという部分、あるいは何度も言っているのですけれども、それをチームとしてどうやって組みこんでいくのかといった部分は、まだまだコンビネーションの部分で、未熟さがあったと思います。
 これはパブロ個人の問題ではなくて、我々も時間をかけていろいろなものを高めてきましたから、パブロの良さをそこで組みこむといった作業には、もう少し時間がかかるかもしれません。
 ただし、彼の起用したポジションによっては、もっともっとパブロの良さというものを出せるとは再確認できましたから、またけが人も戻ってきて、その中でパブロの良さを取り込んでいくというような作業に取りかかっていきたいとは思いました。
 (藤村)慶太は左サイドバックでスタメンにしたのは初めてでしたが、もともと左サイドバックの選手ではなかったかというくらい素晴らしいパフォーマンスをやってくれたと思います。皆さんはどう思っているか分かりませんが、私の目からすると、前半のカバーリングであったり、対人のところでのボールを相手から刈る作業であったり、彼は本当に技術が高いのですけれども、スライディングの技術というものはチームでナンバーワンだと思います。そういったスライディングの技術の高さを発揮してボールを相手から奪い取ったシーンもたくさんありました。
 前半の、1点目ですか、自分がチャレンジせずに、一回我慢していれば、もしかしたら彼の背中を取られなかったかなというものもありますので、そういったものは実際にやっていなければエラーも出ませんから、あれで彼の判断というものは今後研ぎ澄まされるのではないかと思っています。
 攻撃の部分でもしっかりとボールを落ち着けて、何気ないパスですけれども、ほかの味方の選手が時間を作れるような展開というものも、彼らしさを発揮してくれるように、本当にいいパフォーマンスをしてくれたと思いますし、これを自信にしてまた進んでいってほしいと思います。