2016 明治安田J1 2nd 第8節 柏レイソル
お疲れさまでした。夏休みの週末に、3週間ぶりにユアスタに戻ってきて、16,000人を越えるサポーターに集まってもらいました。本当に、皆さんの熱い応援と後押しに感謝を申し上げます。
今日から(東日本大震災5周年の)復興祈念ユニフォームを着て、我々は戦いだしました。今日のミーティングの最後に選手に伝えたのは、「復興のシンボルとして光り輝く絶好のタイミングだ」と。昨日、夜に帰りながら夜の星空を見ていたのですけれども、素晴らしい、夏とは思えないような澄み切った空の中に、素晴らしい星が立ち並んでいたので、昨日の星のように、我々が復興のシンボルとして輝こうじゃないかというような話をして、選手を送り出しました。
本当に難しいゲーム、厳しいゲームでしたが、今日一日ばかりは、その復興のシンボルとして少し光り輝くことができたのではないかと思っています。先週の鹿島戦同様に、本当に魂を込めて選手が戦ってくれましたし、今はけが人が多く満身創痍なのですけれども、チームの総合力をしっかり示した素晴らしい勝利だったと思います。
ただし、今、ロッカー(ルーム)でも言ったのですが、「これを続けていくことが大事だ」と。決してこの勝ちに満足することなく、この先にもっと上を目指して戦っていくという話をしたので、少しまずは一週間の疲れを癒して、また週明けからパワーを持って進んでいきたいと思います。
■ 2失点はしましたが、最終ラインの連動性やコンパクトさは保てたことはどのように見ていましたか。
実は戦前の予想ではレイソルさんが4-4-2でくると思っていたので、それが実際に蓋を開けてみると立ち位置が違っていたと。そういったところから、ちょっと我々が本来であればもっと前から蓋をしにいきたかったのですが、そこをちょっと外されるようなシーンというものが、どうしてもマッチアップ上できてしまいました。
そこから少し、前から行けないのであれば、自陣でコンパクトさを保って守備をしよう、というような共通理解ができていますので、そういったところでまずは、ブラジル人2トップがしっかりと相手のアンカーを消す作業をしながら、外へ外へ追いやって、我々のボールの狙いどころを定めていくというような、コンパクトな守備というものは、披露できたのではないかと思っています。
ただし、“個”のところでどうしてもはがされるシーンがあったり、相手の推進力に押されたりするシーンが当然あったのですけれども、その失点シーン以外では、なるべく近くで守るだとか、あるいはチャレンジとカバーをはっきりするだとか、そういう原則をしっかりやったからこそ、2失点目以降は(失点)ゼロということで推移できたと思いますので、選手が代わってもそういったものを示せるということは、チームの今の総合力を示せたのかなという感じはしています。
■ 藤村選手は2アシストの攻撃面だけでなく、守備でもいい働きをしてくれました。監督の評価を教えてください。
前節の鹿島戦でも、突然の左のサイドバックでの登場でしたけれども、素晴らしい働きをしてくれていました。今日も、いろいろな組み合わせを考えていたのですけれども、まずは最初に左のサイドハーフに入って、より(藤村)慶太の持ち味である攻撃でのアイディアだとか、技術の高さだとか、そういったものを発揮してほしいなと思っていました。
ちょっと前半はあまりボールが入らないようなところはあったのですけれども、徐々に落ち着きを取り戻してからは、ボールにもからんで、あるいは得点にもからんでということができたと思います。
左サイドバックに回ってからも、前回と同じような素晴らしい守備の働きというものがありましたし、後方であれだけボールを落ち着けられたというのが、後半に我々がボールを握る回数が増えた、あるいはリズムを取り戻したという大きな要因のひとつだと思いますので、本当に彼の成長を5年間ずっと見ているのですけれども、逞しくなったな、と思います。
■ 小島選手は思い切りのいいプレーも厳しいプレーもあったと思いますが、今日の試合を受けてどのように成長してほしいですか。
まず、失点にもからんだのですけれども、交代したのは何もそれにからんだから、というわけではないです。私の中ではもう少し時間を引っ張って、もしかしたらそれで3失点目を喫したかもしれませんけれども、やはりまずは失点にからんだという悔しさを今日のピッチの中で挽回してほしいと思いました。
ただし、残念ながら本人が足を攣ったと言ってきたので、あのタイミングでの交代となりました。結果的に慶太が素晴らしい仕事をしてチームにとってはプラスになりましたけれども、彼の成長というものを長い目で見れば、私の中ではもう少し引っ張って、ではあの後にどういうプレーができるのか、自分のメンタリティをどうやってゲームの中で回復していくのか、というようなものをぜひ、見たかったと思います。
本人も悔しいでしょうし、難しそうな顔をして帰ってきたので、その悔しさをまた持って次戦以降に進んでほしいと思いますし、やはりあの時間で足を攣ってしまうというのは、緊張もあったとは思うのですが、ゲーム体力の分散というものも考えなければいけないと思います。まずはしっかりとした守備から入ろうというところでも後手に回った部分もありますし、そこからアタックに出ていくパワーがどれだけ残っているのかということも感じながら、90分をプレーし続けることも大事ですから、決してこれでへこたれることなく、休み明けから元気に顔を出してくれることを願っています。