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試合日程/結果

2015 明治安田J1 1st 第5節 横浜F・マリノス

<渡邉晋監督記者会見>

<総括>
 お疲れさまでした。まずは、横浜まで本当にたくさんの仙台のサポーターが来てくださいました。それに心から感謝を申し上げたいと思います。勝点3をサポーターと一緒に喜びたかったな、というのが本音です。
 90数分までは我々のゲームプランどおりに進めることができたのではないかと思っています。ゲーム中の修正もしっかりできましたし、ハーフタイムで修正したところも後半に表現できました。本当に、もったいない引き分けだな、というところも感じていますけれども、アウェイでしっかり勝点1を持ち帰ったことはポジティブにとらえて、5戦負けなしを続けることもできましたし、決して下を向く必要はないかなと思っています。
 これからも仙台らしく、粘り強い守備とそこからの攻撃というものをしっかり表現しながら、チーム全員で力を結集してこれからも進んでいければと思います。

■今日は試合中にシステムや配置を変更しました。その意図を教えてください。
 我々の最終ラインの前の人数がどれくらいいるのか、それをどうやって使われるのが嫌なのか、ということを考えた時に、「システム変更も含めて柔軟に対応する」ということは今日のゲーム前に選手たちとしていました。それを、ひとつのオプションとして、これまでも数回トレーニングはしてきたのですけれども、選手がしっかり、臨機応変に対応してくれたと思います。
 もちろん、まだ隙があったシーンもありましたしパーフェクトというわけにはいかなかったとは思うのですけれども、守備の狙いをしっかり持ちながら、そこから攻撃に出ていくパワーというものを、今日はしっかり表現できたのではないかと思います。

■先制点の場面では、クロスからの流れでセンターバックの鎌田君が出ていってのゴールでした。あのゴールについて。
 菅井がいないので、たまには違う選手が出てくるのではないかと思っていたら鎌田だったのでびっくりしていますけれども。今週のトレーニングで、対横浜FMというところで、クロスへの入り方は全員でやっていました。センターバックもサイドバックも、ボックスに行くチャンスはあると。そのなかでどういったボールを上げれば、横浜FMに対して効くのかといったところもトレーニングした成果が、あの(鎌田)次郎のスーパーゴールに繋がったのかなと思います。
 上げたウイルソンも、トレーニングどおりで、普段だったらもう少し前に放りこむところもあったと思うのですけれども、対横浜FMといったところの対策を、しっかり出し手も受け手も共有しながらやれたのではないかと思っています。
 リーグ戦でウイルソンと(渡部)博文以外の選手がようやく点を取れたというところで、私自身はあまり気にはしていなかったのですけれども、本当に流れの中でも次郎が、センターバックが、ああやってボックスの中に入りこめるというところでは、仙台のひとつの攻撃のバリエーションとして表現できればと思います。

■同点に追いつかれた場面はファビオ選手のシュートが素晴らしかったのか、それとも守り切れなかったのか、監督はどう思いますか。
 両方でしょうね。ゴールは本当に素晴らしかったと思います。今、ハイライトを見直してきたのですが、浮いた玉をああやってワンタッチで入れられれば、防ぐ手立ても、可能性としては減ってしまうのかな、という感じはしています。
 しかしながら、その前のファウルが起こったシーンでどうだったのか、放りこまれたあとのプッシュアップ、それからセカンドボールに対する寄せはどうだったのか、そのへんはもっともっと明確にすれば、勝点3を取れただろうと思いますし、そのへんはアウェイで、レイソル戦でも終了間際にやられてしまったので、またひとつ宿題をもらったなという感じはしています。
 これを本当に乗り越えていければ、もっともっと強い、手堅いチームになっていけると思っていますので、この宿題を今度こそは克服していけるように、チーム全員でしっかり戦っていきたいと思います。

■「堅守賢攻」をかかげるなかで、今日の試合では「賢攻」はどう評価しますか。
「前半は大味な展開で終始しても構わない」という話を選手にはしていました。0-0で推移すれば焦れてくるのはホームの横浜FMさんでしょうし、「我々は堅い守備を続けて行ければ必ずチャンスは来る」というようなのはゲーム前にも話をして、ハーフタイムにも確認をしました。そして、前半は少し長いボールを増やしながら、セカンドボールを拾ってなんとか、というところに終始していたのですが、後半は「押しこんだ先にもう一回攻撃をやり直せれば、わりと相手陣内で我々の時間を作れる」という話を選手にして、本当に厚みを使いながら、ワンタッチを入れて三人目が出ていくようなコンビネーションも生み出せたと思います。
 そこに必要なのは距離感とタイミングですので、そういった部分は本当に、昨年からなのですが、トレーニングをしている成果が、徐々に出てきたのではないかと思っています。
 しかしながら、決定的なシーンがより多く作れたのかというと、まだまだ足りない部分もあると思いますので、そのへんはもっともっとトレーニングでも詰めて、相手ゴールを脅かせるようなシーンを作りたいと思います。

■柏戦と同じように最後に得点を決められた試合ですが、あのときはかなり引いていました。今日はかなりコンパクトになって前からプレスをかけていました。今日の試合をどう評価されますか。
 コンパクトさに限れば、柏戦の方がコンパクトだったと思います。コンパクトの位置をどこにするかで、おっしゃったように前で取るのか、後ろで取るのか、取りどころが変わってきます。
 コンパクトであることは大前提で、我々の守備の原則としてあります。そのなかで、今日はシステムも途中で変えながら、少しスペースを埋めるというより人にかかるという守備に変えたので、そのぶんオープンになったところは間違いなくあります。
 だからこそ前からいける圧力を持てたし、それに対する連動性も持てたと。それで前で引っかけられれば、当然相手のゴールに近いので、攻撃にもパワーを持っていけるということもあったと思います。
 そのなかで、前で奪うというのは、我々の中でのいちばんは、ボールを取られた瞬間に取り返す守備の、前で取る、ということなので、ブロックを引いた守備で前で取るというよりは、切り替えの瞬間をもっともっとフォーカスしていければと思っています。
 そういう意味で考えると、またこれからデータもいただけるでしょうけれども、相手陣地でどれくらいボールを取れたか、といったものは、今日も切り替えの遅いシーンが前半にも後半にもありましたので、そのへんはもっともっと、逆に言えばやれると、いったところで、堅守のひとつの表現の仕方が、前から、ということになってくると思います。