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試合日程/結果

第6節 FC東京

<手倉森誠監督記者会見>

<総括>

 まず、ACL(ソウル戦)で自分達らしさを取り戻して勝ちました。その後のゲームで、Jリーグもここからなんだという姿勢、あとは我々の目標に対する意志、意欲をしっかり注ごうとしました。
「今日、勝つことができれば、勝点3以上にどんなタフなスケジュールの中でも我々が勝って進むことができる自信が生まれる、獲得できる」という話をしました。
 ゲームの入り方で、勢いを持って入りたかったのに対し、まずは東京のポゼッション、攻撃を受け止めるかたちで入ってしまった、と。ただし、連戦の中で選手たちは、無理をしてそれにしかけることなく、辛抱して見せたということが、今日は90分間トータルした時に、「あの共通理解が正しかったんだろうな」と感じています。
 前半はとにかく相手の攻撃をしのいで、手堅くゲームを進めました。東京のあの攻撃の出方を見た時に、5連戦目で攻め疲れができるんじゃないかというふうには、ベンチから見ていました。「とにかく0-0で帰ってこい」と。後半の入りで、うまくこちらがしかけた中で、先制パンチを食らわしたというところでは、2-0にするところまでは良かったなと思いました。
 試合が終わってから、選手たちに謝りました。2-0を3-0にできなかった理由には、ヘベルチとの交代というところで、前回の新潟戦でヘベルチを途中交代させてゲーム自体は負けてしまいました。彼の途中交代で入る難しさを、コミュニケーションをとった時にあったのですが、彼のようにスキルのある選手が途中から入った時に機能すれば、より我々が強くなれるというところで、今日の公式戦の中でそれを挽回してもらいたかった、と。ただし、そうではなくて、逆に1点差に詰められて、自分は途中から出した選手を代えることになってしまったことに対して。
 でも、これでチームが途中交代の重要性というところをみんな理解できたし、今日のような2-0で出た選手が3-0にするぐらいのことをしなければいけないということをみんなわかっていたし、詰め寄られて苦しんだゲームでしたけれども、それでもチームはそのヘベルチの無念さをしっかり晴らすべく、2-1で逃げ切ったというところに対しては、このチームはさすがの一体感はあるな、とも感じました。
 今日は勝点3をとって、そういった出来事のあったなかで、自分達がもっともっとやらなければいけないということをまた、獲得できたので、これを糧に、ここから勝ち続けていきたいと思います。

■もともとは相手の攻め疲れを待つのではなくて、こちらがアクションを起こす上でどのように修正しようとしていましたか。

「もっとやろうや」ですよ(笑)。前半に辛抱していた分、馬の手綱を引いていてそのまま走らせたというところだと思いますから、選手たちが自分達から手綱を放したのだと。そこで、ハーフタイムにいちばん声をかけていたのは角田だったし、「あの攻撃のシグナルでスイッチを入れる時に、少しでもスピードを変えなければ、ちょっとでも無理しなければゴールは生まれない」という話をしました。でも、選手たちは多分、後半からやる気だったと思いますよ。
 帰ってきた時は相当疲れていましたけれど、「やらなあかん」ということに対して、みんな自分の尻を鞭で叩いて出ていきましたから。でも、さすがに後半の2分でゴールが決まるとは思いませんでしたけれども、あれはかなり大きかったし、逆に2-0、3-0にしそうなところまでは、完全にゲームを逆転したところは、やはり連戦の戦い方を、J2時代から、ゴールデンウィークの頃に中二日で5連戦をした時のあの頃の選手たちのコントロール力を思い出しましたね。

■ソウル戦で手応えをつかんだ4-4-2で、メンバーも同じ今日の狙いはどんなところにありましたか。

 あのぐらいのゲームをしたら、やはり同じメンバーでいきたいですよね。富田の回復を祈るばかりでしたし、彼の足の腫れの引き具合というのが、昨日の夕方にチェックしたときにはかなり引いていたので、やれる、とみた、という感じですね。そろって。彼は自分でやると決めれば根性があるやつだし、最後までよくやってくれたと思います。

■両チームともタフな日程の中で、仙台のしたたかさが後半の展開につながったと思いますが、もともとのゲームプランはどういうものでしょうか。また、キャンプ中から「ミドルシュートでのゴールを今季に増やしたい」という話をしていて、今季最初に出た角田選手のゴールの評価をお願いします。

 まず、ゲームプランは、ホームのチームとして、自分達がしかけてアクションを取りたいところでした。攻め疲れを待つというプランは、まずないですよ。それは状況判断で、東京の勢いがあった、うまさがあった。そして自分達は我慢させられた、という状況ですから。その先に何があったかというところでは、自分の中に「攻め疲れがあるだろうな」というのがあっただけです。後半に「もっとやろうや」となったところで、入り方は我々の方が良かったわけですから。
 ミドルシュートは、キャンプの時からそういった攻撃のバリエーションの中で少なかったという昨シーズンの反省を踏まえて、意識はさせていますけれど、角田がここまでゲームを外から見ている状況の中で、打っていいところに打たなかったこととか、そういったところを彼自身が把握してピッチの上に今は立っているという状況が、今は生きていると思います。
 あそこだったらこれまでの流れだと、また左サイドに散らしてクロスから…というところが大方だったと思いますけれども、自分も「あれ、切り返したな」と思いました。打った瞬間には「入ったな」と思いましたけれども。良かったですよ。

■富田選手と角田選手を並べて(公式戦で)2連勝ですが、あの二人のコンビネーションはやはり特別なものがありますか。

 やはり、ボール奪取率は、彼ら二人は高いし、お互いのくせをよく理解し合っています。前にいく時と、自分がカバーになる時と、なおかつ攻撃においては握るということに対して、しかけがだいぶ良くなってきているので、そういった意味で、チームのオーガナイズの中に彼らが二人いることで、中心にいることで、守備にも攻撃にもスイッチが入るのは、去年からも立証済みだし、それが今はやれるということでは、いよいよここから反撃だな、というふうに、彼らがスイッチを入れてくれたんだと思います。

■ヘベルチ選手の交代で松下選手が入りましたが、もともと松下選手を交代で入れる予定はなかったのでしょうか。また、大事な試合であることを踏まえてのゲームプランがあったら教えてください。

 サブの選手は全員使いたいと思っています。ただ、使いたいけれど三人しか使えないということですから、富田がどこまでもつかというところで、松下の出番をうかがってはいました。2-0というスコアの時点で、ヘベルチの攻撃力という武器を選んだだけです。彼の出来の悪さを見た時に、2-1で攻められている状況、やはり守備も握ることも、となれば、松下しかいない、というところですよね。今日の流れを見れば。松下はそういったところで、ヘベルチに要求されたことをしっかり理解して、彼がピッチでそれをやってくれたと思います。
 ゲームプランは、今はチームに柔軟性というものを求めている中で、もちろんいいサッカー、ソウル戦のようなサッカーを毎回続けて勝てればそれに越したことはないのですが、今日みたいに難しくなったり我慢させられたりする展開の中で、何をえらぶんだということに対しての共通理解力に対して、毎試合それがテーマですから。今日は自分達のパフォーマンス、相手の出方を見て、全員が同じ絵を描いて試合ができたというところで、試合ができたと思います。5連戦の途中で、やはり全員で動いて全員で守備をするということがなければ、やはりバランスを崩すので。今日は前半に握れなかったですけれど、しかけが少なかったですけれども、バランスを崩すことのない守備をやり続けたということが、良かったと思います。

■3月30日からの過密日程の5連戦が終わりましたが、最後のふたつに勝っての2勝1分2敗という成績をどのようにとらえていますか。

 五分です。五分で進んでいればいいなというところを、中断までの大きな考えではいます。ただ、今こうやって、いよいよ波に乗ってきたことを考えれば、あの中断までには、ひとつでも勝ち星を増やしていきたいと。逆に言えば、今、トップにいるチームに対して、近づいていきたいなと、思っていますから。JリーグもACLも、我々は今、示さなければいけない力は、這い上がる力ですから、みんなその気になってやってきていますから、それをしっかり表現していきたいと思います。

■後半の途中から押されたのは、選手が疲れたからでしょうか。それとも平山選手に予想外に手こずったからですか。

 平山選手は予想外に効きましたね。彼のあの懐、普通の人ならヘディングするところを胸でおさめるという、あれは手こずるな、と。ACLでそういう試合があるかと思ったのですが、Jリーグでこういう経験をさせられました。そこにボールがおさまり出したことと、東京の途中から出てくる選手たちもよりしかけのうまい選手が多いなというところでしたから。ビハインドのチームがエネルギーを出し始めるということは、やはり勝負の中ではありますから。展開は押された状況ですけれど、メンタルは我々は折れなかったというところで、しのげたのかなと思います。